TPP協議への参加については、野党は勿論のこと、民主党内にも反対が根強く、首相も表明を1日遅らせたり、記者会見では農業の保護・強化について出来る限りの努力を約束したが、事はそれほど簡単ではない。
首相によると、「農業を守り抜くために、昨年10月に首相官邸がまとめた『食と農林漁業再生推進本部決定』に基づいてやっていくという。しかし、その内容は抽象的かつ総花的で、実現可能性も疑わしい。
決定では、農林漁業を守るための7つの戦略を掲げているが、そのうち問題のコメにかかわるものは1項目だけで、その内容も、経営規模の拡大を目指してコストを下げるという、あまりにも陳腐化したもの。
2010年現在、60キロ当たりのコメの生産費は、平均で16000円。作付面積0.5ヘクタール以下の経営体では、24000円。15ヘクタール以上の大規模経営体では9000円になる。
一方、アメリカ米の60キロ当たりの輸入価格は約4000円。
現在はこの輸入価格にキロ当たり341円の関税が掛るので、60キロ当たりの価格は24000円以上になり、どうにか国内産の平均価格を上回っている。
しかし、関税がゼロになれば、仮に全国の経営体を15ヘクタール以上に集約したとしても、輸入米が半値以下になり、国内産のコメは価格的には全く競争できなくなる。
ただ、コメについては、ブランド米が好まれるように、関税が自由化されてカリフォルニア米がどっと入って来ても、一定の国内生産は残るはずで、政府としてはその部分を少しでも大きく残すほかはなさそう。
これまでのFTAやEPAでは、コメの関税は聖域として残す事が出来たが、今回のTPPはシンガポールなどの実績が示すように例外なしの同盟なので、少なくとも聖域とするのは不可能。
せめて、関税を一挙にゼロにするのではなく、時間をかけて段階的に引き下げるように条件闘争して行くしかなさそう。
しかし、それならば、はじめからTPPには参加せず、韓国のように地道に2国間協定を締結して行く方が、摩擦も少ないし、時間的にも早くなるのではないか。


by braincrack
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